ステロイドの副作用

もえ&ひま

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フェレットの病気

ステロイドは怖くない!フェレットには必要不可欠なことが多いから長く付き合っていくお薬だと知っておこう

2024年4月7日

時々、「ステロイドに頼らない治療法が知りたい」「なるべくならステロイドは飲ませたくない」というようなお問い合わせがあります。

A. 病院でそのまま先生に相談してください

以上です。

我が家の可愛い可愛いもえちゃんの肝臓の数値が爆上がりしました。

フェレットの血液検査(肝臓の数値)

ALT1000オーバーで測定不能

可愛い可愛いひまちゃんには脱毛の症状が出始めました。

どちらも「ステロイドの副作用」です。

ふたりとも、穏やかな生活をこのまま少しでも長く維持していくためには、お薬とうまく付き合っていく以外の選択肢はありません。

ステロイドに頼らないとかなるべくなら飲ませたくないとか、そういう風に私は考えたことがないから分かりません。

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ステロイドを怖がらない!そのために知っておくこと

「ステロイドが怖い」というのは、ステロイドそのものが怖いという事ではなく「副作用が怖い」なんですよね。

確かに、ステロイドというお薬には、素晴らしく強い効き目が期待できると同時に、使い方を誤ったり、長期間に渡る投薬によっては副作用を生じる可能性はあります。事実です。

ステロイドの副作用と一口に言っても、全部が全員に同じようにでるものではなく、疾患、薬の量、投薬期間などによってさまざまですから、今日のお話を参考にして自己判断とかダメです。

どんな時でも必ず先生と相談するようにしてください。

そもそもステロイドとは

  • 炎症を抑えたり、免疫の働きを弱めたりする薬で、もともとは体の中で作られるホルモンのこと。
  • つまりステロイドとは、もともと体内(副腎)で作られるホルモンのことで、このホルモンがもつ作用を薬として応用したものがステロイド薬(副腎皮質ステロイド薬)です。
  • そのステロイド薬には、内服薬や注射薬、外用薬(塗り薬)などがあり、さまざまな病気の治療に使われている。
  • 要するに、ステロイド薬には、炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われています。

ステロイド薬を必要とするこの子達の代表的な疾患といえば、やはりインスリノーマですが、それ以外にもたくさんの疾患でステロイド薬は処方されています。

ちなみに我が家のもえちゃんは原因の分からない(インスリノーマではない)低血糖症、ひまちゃんは先天性(だとされる)腸疾患、でそれぞれがステロイド薬のお世話になっています。

フェレットのインスリノーマ(低血糖症)とは?治療法がないって本当?
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シニア期(4才以上)に入ると一気にその患畜数が増えると言われる「インスリ(インスリノーマ)」とは、別名「膵島(すいとう)細胞腫」と呼ばれる、フェレットの三大疾病の一つです。 その名の通り 膵臓の中に島

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ステロイドの副作用とは

■副作用はなぜおこるの?

副作用には、

1. 予想しない作用があらわれる場合
2. 予想したよりも強く作用する場合があります。

薬は必要な場所にだけ効くことが理想ですが、血液といっしょに全身を回るため、必要のないところにも働きかけて、結果として思わぬ副作用がおきることがあります。例えば、抗生物質は体の中の悪い細菌を殺しますが、同時に人体にとって必要な腸の中にいつもある乳酸菌などもやっつけるので、下痢や便秘をおこすことがあります。

また、予想以上に薬が強く作用して副作用をひきおこす例として、糖尿病の血糖を下げる薬の効果が強すぎて、低血糖をおこすような場合があります。

引用:武田病院グループ「くすりのお話

見た目にでる症状

  • 脱毛
  • 下痢
  • 爪がパサつく
  • 下半身だけ妙にポヨポヨになる
  • 口の中や耳などに炎症が起きやすくなる
  • 浮腫み
  • ペタンが多い
  • フラフラしてる
  • 目が濁る(視力が弱くなる)
  • 痩せる、太る
  • 食欲が落ちる、上がる
  • 筋力が落ちる(筋肉が細くなる)
  • 皮膚が薄くなる
  • アザができやすくなる
  • など

もちろん副作用と呼ばれるものがこれで全てというわけではないし、また、この全部がステロイドの副作用ということでもないし、ただ何か一つでもこういう症状がでていたら他の病気が隠れていることもあるのでその時にはなるべく早めに先生に相談してあげて下さいね。

副作用として上記のような症状が出ている時、体の中ではここに症状がでている事が多いです。

ココに注意

  • 腎臓、副腎
  • 肝臓
  • 心臓
  • 貧血状態
  • 高血圧、糖尿
  • 免疫力低下
  • など

長期的にステロイドの投薬を続けている子たちには必ず定期的な血液検査などが必要とされるのはこの目に見えない場所で起きていることを知ってあげるためです。

もえちゃんの例(ALTの値)

もえちゃんは、もう2年くらいずっとステロイドのお世話になっています。

最初は内服でした。

1日1回から2回になって、それでも安定しなくて、どんどんお薬を変えて強くして、でも発作はしょっちゅうで、そのうち毎日のように1日に2回も3回も発作を起こすようになって、入院もしました。

24時間×6日間の点滴投与で「一度も発作を起こさなかった=安定した」という判断で退院したけど、その帰り道で発作を起こして、もうどうしてあげれば良いのか…というお話はまた別の記事で。

そんなこんなで(色々端折って)治療方針を根本から見直して新しい治療方針を試してもらう事になったのが2023年の11月27日です。

「副作用として肝臓にも影響がでる」ことは最初から説明されていました。

肝数値メモ

アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT/GPT)
体内で化学反応を起こす際の触媒としての役割をするのが酵素ですが、窒素の代謝やアミノ酸の合成に関わる酵素を総称してアミノトランスフェラーゼ(トランスアミナーゼ)と呼びます。
アラニンアミノトランスフェラーゼ(トランスアミナーゼ)は肝臓での活性が高く、肝臓に特異な酵素ですので、肝臓の働きを測る指標となります。肝細胞の壊死や障害が起きると値が上昇します。

フェレットのALT基準値は82-289U/Lとされているよ
える
える
2023/11/27214
2023/12/11527
2023/12/24479
2024/1/20310
2024/2/3322
2024/2/18450
2024/3/91000オーバーで測定不能

何回分か抜けてしまっていますが大体こんな感じで、投薬を開始してからは常に基準値よりは高い値でも2月までの数値は最初に説明を受けた想定の範囲内です。

さすがに1000U/Lを超えた時にはビックリしましたが、先生と相談して「お薬を一回お休みして様子をみる」という方法をもえちゃんは選びました。

同じような場合でも半量にして様子をみることだってあるし、いつまでお休みするかとかもあるし、そういう事は皆それぞれに違うことなので詳しいことは置いておくとして、何が言いたいかっていうと、

副作用に怯えない!

「ステロイドを使っていきましょう」と先生に言われたら不安なことは全部その場で(後から思い出したことはもちろん後からでも良いです)先生に質問しましょう。

これはあくまでも私の経験上ですが「副作用が怖いです」と言って怒りだした先生はいません。

私はいつも、分からないから、不安だから、たくさん質問をします。が、それを面倒くさがった先生はいません。

もしそこで、怒りだしたり、面倒くさがったりする先生なら転院を考えた方が良いです。

ずっと自身の闘病でステロイドと長く付き合っている友達に「ステロイドとの付き合い方について教えて欲しい」と生の声を直接聞かせてもらって、それを持って「人とは違うかもしれないけどこういう話を聞きました。この子達ではどうですか?」みたいな、ともするとだいぶ面倒くさいと思われるかもしれないけど、それでも疑問が沸いたらそれはそのまま不安という形になって居ても立っても居られなくなっちゃうから、私はその都度先生に聞きます。

先生にそのまま言ったら「そういう疑問がわいたら不安になるのは当然です。何でも聞いて下さい。」って言ってくれました。

病気と真正面から向き合っていくためには、ステロイドを怖がるより「こういう症状(副作用)がでたらこうしましょう」って答えをもらって、そうやって一つずつ不安を潰していくしかないですからね。

1にも2にも、まずは「とにかく先生に相談」です。

絶対やっちゃダメなこと

ステロイドの副作用で数値が急に爆上がりしたとか、どんどん毛が抜け始めたとか、一見すると薬が悪いようにしか作用していないように見える状態になると、不安になって「勝手に薬を止めた」というお話を時々耳にしますが、絶対にダメです。

先ほども言ったように、ステロイドはホルモンがもつ作用を薬として応用したものですから、ステロイドの投薬中は副腎がその働きを調節してたり場合によってはお休みしてたりします。

だから急にステロイドをやめると体の中のステロイドホルモンが不足して、だるさ、吐き気、頭痛、血圧低下などの症状があらわれることがあります(ステロイド離脱症候群といいます)。

お薬を止めるタイミングは絶対に先生と相談しなくちゃダメです。

勝手な断薬は悪化を招く!反跳作用リバウンド現象とは?フェレットの投薬をやめるタイミング
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「症状の改善が見られないから」 「投薬の継続による副作用が心配だから」 等々の理由で「薬をやめたいんだけど」というご相談を受ける事があります。 A.  それは病院の先生に相談する事です。 本当にこれし

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ステロイドに負けない体作りをしよう

ステロイド薬を長期で投薬していると、どうしても体の中からビタミンやミネラルなどの栄養成分が不足します。

胃が荒れたりもします。

だから、ステロイド(飲み薬)は胃薬も一緒に処方してくれる病院は多いと思うのですが、ビタミン剤とかはどうなのかな。

「副作用で貧血が出ちゃったからうちは鉄剤も処方されてます」みたいなお話を聞かせてもらう事があるので、心配な時は前もってそういう相談をしてみると良いかもしれませんね。

ちなみに我が家では「ステロイド投与時に減る栄養のミックス」を謳っている、げんきいたちさんの「ステロイドサポート」を使っています。

こちらは「フードにかけない」など与え方にコツがあるので、ご購入の際には必ず説明をきちんと読んでからにして下さいね。

【ステロイドを怖がらない】フェレットのステロイドサポート
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げんきいたち。フェレット用サプリメントのげんきいたちは、自社でも沢山のフェレットを飼育しながら、獣医師の協力と相談を受けつつ、フェレットにいいものだけを突き詰めて、混ざり物のない高品質なフェレットのた ...

www.genki-itachi.com

病気と闘うために、ある程度のことは受け入れる気持ちが大切

ステロイド薬(に限らずですが)のように副作用が「ある」とされているお薬は、まずそれを理解して受け入れて「期待されている作用が副作用を上回るうちはクヨクヨ心配しすぎないで先生の治療方針を信じる」マインドが大切だと私は思っています。

こちらのモチモチお肌がキュートな「さーちゃん」はステロイドの副作用による脱毛ちゃんです。

ステロイドの副作用(脱毛)

可愛いでしょう?

ステロイドの副作用には血液凝固亢進といって血液が通常より簡単に必要以上に固まりやすくなるという症状もあって、それに加えて毛がない、皮膚が薄くなっている子はアザができやすかったりします。

さーちゃんの飼い主さんもアザのことを言っていました。

なので、先の友人に聞いたら「それはある」と人でもそうだと言っていました。

アザができやすいからといって、特に痛みを感じやすくなるわけではなく「本当にちょっとした事で、いつどこでぶつけたのかも分からないうちに、気が付いたらアザができてる感じ」と教えてくれました。

良かった。

これだけ遊び好きの子たちだから痛みを感じやすくなったりしたら大変だって思ったけど、そうじゃないなら少し安心だ。

先生に聞いたら「それは確かにそうで、血液検査で針を刺した後なんて特に、ビックリするようなアザができたりするけどそれが普通。日常生活でも少しのそれは気にしなくて大丈夫です。あまりにも気になるようだったらいつでも来てくれれば良いです。その気になる目安は飼い主さんによって違うから。」との事でした。

そうやって前もって知っておけば、これからモチモチになっていくひまちゃんの事も何も心配せず、ただただ可愛いだけで良いんだから、本当に良かった。

日常生活で気を付けてあげられること

ステロイドの副作用の中でもかなり重要な副作用の一つだとされてる『免疫力の低下(感染症の悪化、誘発)』。

「感染症の予防」はコロナ禍の時にもう散々やってきていて知識も十分にありますから今またここでお話する事でも無いかとは思いますが…

ステロイドを投薬中の子は、細菌、ウイルス、真菌などの感染症にかかりやすく、また感染が治りにくい状態にありますから、我々人間はこまめな手洗いうがいを欠かさず、また、他の子との接触はもちろん、この子達に不必要な外出はせめて投薬中はなるべく止めてあげて下さいね。

真菌(=水虫など)を持っている飼い主さんは速やかにご自身の治療を始めて治るまでは「うつさない」環境を作ってあげて下さい。

水虫(真菌)はこの子達にうつります。

参考:真菌感染による皮膚病のフェレット(写真)

あまり過剰にあれこれと怖がる必要はありませんが、せめて日常生活の中で気を付けてあげられる事は徹底的に気を付けてあげて欲しいと思います。

ステロイドを怖がることなんて全然ないです!

この記事が病気に向き合うあなたの第一歩のお役に立てますように。

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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